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2025-26シーズンのオランダ・エールディビジ。上田綺世はフェイエノールトの背番号9として、リーグ得点ランキングの上位に立っている。FotMobの集計ではすでに23ゴール——ハリー・ケイン(バイエルン)を上回るペースで、ヨーロッパの主要リーグで日本人選手が得点王争いに加わるという、希少な光景だ。
でも、彼のキャリアは華々しくスタートしたわけではなかった。茨城県水戸市生まれ、中学時代は鹿島アントラーズノルテに通っていた。身長170cm程度で体格が未熟だったため、鹿島ユースに昇格できず、地元の鹿島学園高校に進学した——これが上田綺世の出発点である。
法政大学進学、コパ・アメリカ大学生唯一の招集、退部して鹿島へ前倒し加入、セルクル・ブルージュ、そしてフェイエノールトでクラブ移籍金記録を更新する800万ユーロの男に。
2026年北中米ワールドカップ。27歳の上田綺世は、日本代表の中央フォワード(CF)として、4年前のカタールで叶わなかった「W杯ゴール」を取りに行く。
この記事では、彼の異色の経歴と、フェイエノールトで爆発した今シーズンの背景を、裏取り済みのファクトで整理しておきたい。
1. 上田綺世 基本プロフィール
| 項目 | 内容 |
| 本名 | 上田 綺世(うえだ あやせ) |
| 生年月日 | 1998年8月28日 |
| 年齢(2026年6月時点) | 27歳 |
| 出身地 | 茨城県水戸市 |
| 身長 | 182cm |
| 体重 | 76kg |
| 利き足 | 右 |
| ポジション | FW(センターフォワード) |
| 現所属クラブ | フェイエノールト(オランダ・エールディビジ) |
| 背番号 | 9 |
| 日本代表 | 2019年6月デビュー(チリ戦)、A代表通算30試合超 |
2. 鹿島ノルテで昇格できなかった少年
上田綺世は茨城県水戸市の生まれ。少年時代から地元のサッカークラブでプレーし、中学時代に鹿島アントラーズノルテ(鹿島の下部組織)に所属した。
ノルテからは多くの選手が鹿島ユースに昇格していくが、当時の上田は身長170cm程度で体格が未熟だった。結果、ユース昇格はならず——「鹿島育ちのエリート街道」から外れた。
これが上田の人生最初の挫折。だが、彼はそこで諦めなかった。地元の鹿島学園高校に進学し、ゼロから力を積み上げる道を選ぶ。後年、当時の恩師たちが「他のチームなら終わっていたかもしれない」と語る、危うい時期を乗り越えた。
3. 鹿島学園高校:選手権で2ゴール、頭角を現す
鹿島学園高校サッカー部で上田はFWに専念。第95回全国高校サッカー選手権大会(2016-17)に出場し、2ゴールを記録。
このタイミングで急成長期が来た。中学時代170cmだった身長は、高校卒業時には180cm近くまで伸びる。フィジカル面で「鹿島ユース昇格組」と互角に渡り合える存在になっていた。
しかし、上田は鹿島アントラーズには直接行かない選択をする。次のステップは法政大学体育会サッカー部——日本人選手の海外組ルートとしては珍しい「大学組」の道だった。
4. 法政大学:1年次から主力、ユニバーシアード優勝
2017年4月、上田は法政大学に進学。1年次から関東大学リーグで出場機会を獲得する。
そして2年次の2018年、全日本大学サッカー選手権大会優勝にFWとして貢献。大学サッカー界の主役に躍り出る。
大学2年で日本代表初招集
異例だったのは2019年6月。20歳の上田はコパ・アメリカ・ブラジル大会の日本代表メンバーに、大学生として唯一招集された。これは森保ジャパン発足直後の出来事で、上田の頭角が代表レベルにも認識された瞬間である。
そして2019年6月17日、チリ戦で日本代表デビュー。これが彼のサッカー人生の方向を決定づける。
5. 鹿島アントラーズ:大学退部と前倒し加入
2019年7月23日、法大退部の決断
コパ・アメリカで世界レベルを体感した上田は、「2021年からの鹿島加入予定」を前倒しする決断をする。
2019年7月23日、法政大学サッカー部を退部。鹿島アントラーズと正式契約を結んだ。一度は鹿島ユースに昇格できなかった少年が、鹿島の正式なトップチーム選手として戻ってきた——これは茨城のサッカー界にとっても感慨深い出来事だった。
プロデビューと初ゴール
| 日付 | 試合 | 結果 |
| 2019年7月31日 | 浦和レッズ戦(J1) | プロデビュー(途中出場) |
| 2019年8月10日 | 横浜F・マリノス戦 | プロ初ゴール |
鹿島時代の主な記録
鹿島アントラーズでの3年半(2019-2022年)で、リーグ戦・カップ戦合わせて38得点を記録。2022年J1月間MVP(2月・3月)を獲得。
6. セルクル・ブルージュ:ASモナコ系列への移籍
2022年7月1日、ベルギー1部へ
2022年7月1日、上田はベルギー1部セルクル・ブルージュKSVへ完全移籍。鹿島とセルクル間のクラブ間合意として発表され、移籍金は約100万ユーロ(約1.4億円)と報じられた。
ここで興味深いのはセルクル・ブルージュのオーナー構造だ。同クラブは2017年5月以降、ASモナコと同じオーナー(ロシア人富豪ドミトリー・リボロブレフ氏)を持つ姉妹クラブの関係にある。契約自体は鹿島↔セルクルの直接合意ながら、現地ベルギー紙は「移籍金は親クラブのモナコを通して支払われた」と報道(Goal.com 日本版が引用)。Win-Winの提携構造の中で実現した移籍だった。
余談だが、上田は鹿島アントラーズからセルクル・ブルージュへの移籍2人目(1人目はDF植田直通)。鹿島⇄セルクルの移籍ルートは既に確立していた。
セルクル・ブルージュでの実績
2022-23シーズン、上田はベルギー1部で22得点を記録。「complete striker(完成された万能型ストライカー)」と現地アシスタントコーチが評価する活躍を見せた。フィニッシュ能力に加え、スピード・敏捷性・ジャンプ力・強さの全てが揃ったストライカー、という評価だ。
7. フェイエノールト:800万ユーロのクラブ移籍金記録
2023年8月3日、移籍金13億円超
2023年8月3日、フェイエノールトが上田綺世を移籍金800万ユーロ(約13億円)で獲得。これは当時のフェイエノールトのクラブ移籍金記録の更新だった(オランダ紙『NL Times』が「Feyenoord break their transfer record to sign Ueda」と報道)。
契約期間は2028年6月30日まで(5年契約)、背番号は9番。
ファン・ペルシ監督との出会い
2024年から、フェイエノールトの新監督に元オランダ代表ロビン・ファン・ペルシが就任。ファン・ペルシ自身がアーセナル・マンチェスター・ユナイテッドで活躍した世界的ストライカーであり、彼の指導が上田の得点能力をさらに引き出した。
2025-26シーズン:欧州得点王争い
| 項目 | 数値 |
| 2025-26 リーグ戦ゴール数(FotMob) | 23ゴール |
| 試合あたりゴール数 | 1ゴール/90分 |
| シュート決定率 | 48.48%(32本オンターゲット/66本中) |
| Eredivisie 全選手中の順位 | 3位(339人中) |
ハリー・ケイン(バイエルン)を上回るペースで、上田は欧州主要リーグの日本人初の得点王獲得が現実的に視野に入っている。
8. 日本代表での軌跡
2019年デビュー、2022年W杯の苦い経験
代表デビューは2019年6月17日のチリ戦(コパ・アメリカ)。だが本格的な主力化は2022年カタールW杯前から。
2022年カタールW杯では、ドイツ戦・コスタリカ戦・スペイン戦の3試合中、コスタリカ戦のみ先発出場、しかも前半45分のみで交代。ノーゴールでW杯を終える苦い経験となった。
2026年に向けて:CFのスタメン候補
2026年北中米W杯、上田綺世は日本代表センターフォワード(CF)のスタメン候補として最有力。フェイエノールトでの得点量産が、森保監督の信頼を確固たるものにしている。
久保建英(右ウイング)、三笘薫(左ウイング)、鎌田大地(トップ下)と組む4人の攻撃陣の中で、上田は中央で得点を取る役割を担う。
9. 上田綺世のプレースタイル
「complete striker」と呼ばれる万能型
セルクル・ブルージュのコーチが「complete striker」と評したように、上田はストライカーに必要な要素をバランス良く持つ選手。
| 要素 | 強み |
| フィニッシュ | ペナルティエリア内で確実に決める |
| ヘディング | 182cmの長身を活かした空中戦 |
| スピード・敏捷性 | DFを背負った状態からの瞬発力 |
| ジャンプ力 | 身長以上に空中で勝つ |
| 強さ | 決して大柄ではないが、当たり負けしない |
「監督のお気に入りになる」ストライカー生存哲学
Number Web の取材で上田は、「点を取る方法を盗んでいた」「監督のお気に入りになればいい」と語っている。これは「テクニックで魅せるタイプ」ではなく「結果で監督に必要とされる」職人型のストライカーであることを示している。
弱点と課題
- 代表での得点力:クラブでは点取り屋だが、A代表通算ゴール数は試合数の半分程度
- 国際舞台での経験:W杯ではゴールがなく、2026年大会で初の本大会ゴールを目指す
10. 2026年ワールドカップの注目ポイント
CFのスタメン、ほぼ確定
森保ジャパンの2026年W杯スタメン、上田綺世はセンターフォワードでほぼ確定。フェイエノールトでの得点量産が決定的な要素になっている。
W杯初ゴールが期待される
2022年カタール大会ではノーゴールに終わった上田。2026年大会での初ゴールは、彼自身にとってもキャリア最大のテーマ。フェイエノールトで磨いた決定力を、世界の舞台で見せる時が来る。
ファン・ペルシ仕込みのストライカー像
ファン・ペルシ監督から学んだ「ボックス内での余裕とポジショニング」は、W杯本戦で必ず効果を発揮する。世界トップレベルのDFとの駆け引きにおいて、彼の「complete striker」スキルが日本代表の得点源になる。
11. 上田綺世の試合を見るには?
エールディビジ(フェイエノールト)の試合を見るには
フェイエノールトの試合は日本国内で複数のサービスで視聴可能:
| サービス | 月額 | 特徴 |
| DAZN | 4,200円 | エールディビジ・W杯予選 |
| WOWOW | 2,530円 | UEFAチャンピオンズリーグ(フェイエノールト出場時) |
| ABEMA | 月額無料(プレミアム960円) | 一部試合無料配信 |
日本代表の試合を見るには
- DAZN:W杯予選・親善試合の多くを独占配信
- 地上波:W杯本戦は地上波で全試合放送
12. 上田綺世グッズを手に入れる
フェイエノールトの上田綺世レプリカユニフォーム、日本代表ユニフォームは、楽天市場・Amazon で購入可能:
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13. まとめ:ノルテで昇格できなかった少年、世界の得点王争いへ
上田綺世の物語は、「鹿島ユースに昇格できなかった13歳の少年」から始まる。中学時代170cmで体格が未熟だった彼は、エリート街道から外れた。
そこから鹿島学園高校、法政大学、コパ・アメリカ大学生招集、退部しての鹿島入り、セルクル・ブルージュ、そしてフェイエノールトでのクラブ移籍金記録更新——どの段階でも、上田は「結果で証明する」スタイルを貫いてきた。
2026年北中米ワールドカップ、27歳の上田綺世がピッチに立つ時、彼が背負うのは「W杯初ゴール」という個人的なテーマと、「日本代表の中央でゴールを取る」チームの期待。
ノルテで挫折した少年が、世界の主要リーグで得点王争いを戦う——日本サッカーの「遅咲きの可能性」を、彼の左足と頭が証明している。
参考情報源
- フェイエノールト公式サイト:https://www.feyenoord.com/
- 日本サッカー協会:https://www.jfa.jp/
- 鹿島アントラーズ:https://www.antlers.co.jp/
- Number Web 上田綺世特集
- NL Times(オランダ)
- FotMob、Sofascore、Transfermarkt


